社団法人中小企業診断協会のホームページに、大阪支部の「金融機関と取組んだ知的資産経営支援の実際」報告書が公開されました。
これは、2011年度の「支部における調査研究事業」として、大阪支部で取組まれたもので、当社代表の小山俊一も執筆に関わらせていただいております。
以下は、「金融機関と取組んだ知的資産経営支援の実際」報告書の要約です。
金融機関では、リレーションシップバンキングの一環として地域密着の経営支援体制が求められている。
その地域密着の支援を行う場合、財務諸表だけで企業を評価するのではなく、「見えざる資産(知的資産)」を明らかにし現状の価値や将来ビジョンまで「見える化」できる「知的資産経営」の考え方が最も相応しい。
「知的資産経営」とは、人材、技術力、ノウハウ、組織力、顧客や関連企業とのネットワーク等の目に見えない「知的資産」をしっかりと把握し活用することで、業績の向上や会社の価値向上に結びつけていくことであり、それを報告書の形でまとめたものを「知的資産経営報告書」という。
我々「中小企業診断協会大阪支部 知的資産経営研究会」メンバーは、平成20年から地域の信用金庫と共に知的資産経営の考え方を取り入れた企業支援活動を行ってきた。
本報告書は、我々研究会が金融機関と取組んだ知的資産経営支援の実際について、7章構成で取りまとめたものである。
まず第1章では、知的資産経営と当研究会の活動内容に触れ、第2章では、知的資産経営支援の現状として、経済産業省や独立行政法人中小企業基盤整備機構、滋賀県中小企業団体中央会、公益財団法人ひょうご産業活性化センターの取組みについて、沿革、内容、成果等を整理している。
続いて第3章では、金融機関の企業支援の現状として、地域密着型金融の経緯とアンケートに見る地域密着型金融の現状に触れるとともに、コンサルティング機能の発揮として、他行の対応への警戒、追加融資への警戒、コスト回収の問題に触れ、さらに但陽信用金庫・尼崎信用金庫・但馬銀行の地域密着型金融への取組みについてとりまとめた。
第4章では、実際に我々が金融機関と共に取組んだ具体的な支援内容として、但陽信用金庫との取組みに焦点を当て、但陽信用金庫の考え方、我々研究会による支援内容、支援を行った企業の事例を紹介するとともに、知的資産経営報告書作成セミナー参加企業ヒアリング集計として、セミナーに参加した効果、問題点、今後の課題について整理を行った。
そして第5章では、知的資産経営支援の成果として、金融機関における知的資産経営支援の成果と金融機関と連携して中小企業診断士が知的資産経営支援を行うことによる成果を、また知的資産経営支援の課題として、金融機関における課題と中小企業診断士における課題をまとめた。
さらに第6章では、金融機関の今後の取組みと当研究会の金融機関との今後の取組みについて述べ、最後の第7章では、診断士の力量として、「顧客価値」への「連鎖」と「特異性」、必要なスキルについて整理し、政府等の取組みとして、事業価値を高める経営レポートと統合報告書について触れ、総括を行った。
この報告書が多くの中小企業診断士に読まれ、中小企業診断士が金融機関とともに知的資産経営を推進する上で役に立てていただければ幸いである。
なお、報告書はこちらに公開されていますので、ご覧いただけると幸いです。
⇒http://www.j-smeca.jp/attach/kenkyu/shibu/h23/h_osaka.pdf(4.7MB)
3月12日(月)、第71回 京都政経文化会例会にて、「Facebookの概要とビジネス活用のポイント」というタイトルで、当社代表の小山俊一が講演させていただきました。
クラウドとソーシャルメディア、Facebookの効果とリスクについてお話させていただきました。